-火勢抑制フロア-
ガソリン火災のリスクを最小限に抑制します
ガソリン火災のこわさ
液体で粘度の低いガソリンは、散布されると容易に広範囲に広がります。
また燃焼速度も速いため、着火すると直後から広範囲で強い燃焼が起こります。
その炎から発せられる輻射熱も強く、炎の前に立つのも困難です。
また、大量の黒煙も発生するため、視界を遮り避難も非常に困難になります。
- フロア構造
- ガソリン散布の様子(社内実験)
火勢抑制フロアの特徴と効果
①散布されたガソリンの多くを床下に落とすことで、燃焼するガソリンの量を大幅に減らします。
②ガソリンの量が減ることで、黒煙、輻射熱も減り、避難・消火もしやすくなります。
③人的な操作が不要です。
④床材を既存のフロアに設置するだけなので、建物形態を選ばずに設置が可能です。
⑤電気設備工事、衛生工事が不要です。
(床面が16㎜前後高くなりますので、防火戸や既存の設備の影響がないところに施工する必要があります。)
〔動画〕ガソリン燃焼比較実験
「有効なのは高性能センサーと消火装置システムですが・・・」
強力で素早く火災の勢いが拡大するガソリン火災に最も有効な対策は、高性能なセンサーと強力な消火装置のコンビネーションとなります。
しかし、これらの設備を既存の建物に導入するのはコスト的にも建物の運用的にも非常にハードルが高いものとなります。
人の操作なしで、炎の勢いを抑えられないか
初期段階の小さな炎であれば消火器での消火も一定の効果を期待できます。
しかし、ガソリン火災の様に急速に大きな炎になる場合、
近くに人がいなければあまり有効な手段ではありません。
そこで我々は火を消すのではなく、如何に炎を大きくさせないか検討を進めました。
そしてその際の条件は4つ。
①高性能な装置に頼らない
②人の操作が不要
③既存の建物にも導入しやすい
④長く使えること
です。
ヒントは古い炭鉱の爆発事故の防止策に
4つの条件をクリアする方法として最初に試したのは、消火薬剤を染み込ませた床材や壁材でした。
ただ、我々の試した方法では、薬剤が経年変化すること、かなりの量の薬剤が必要なこと、
密閉空間である必要があること、などの問題点があり我々の条件には合致しませんでした。
この試行はうまくいきませんでしたが、併せて試してみたい手法がありました。
それは古くからある「デービー灯」の原理を応用した仕組みです。
「デービー灯」とは1800年代に発明され、炭鉱において可燃性ガスがある場所で使用しても、
メッシュに囲まれた炎に引火しないという興味深いランプです。
我々のアイディアはこうです。
「もし床面がメッシュで出来ていたら散布されたガソリンはほとんどメッシュ下に落ちる、
メッシュの上に残ったガソリンは燃えるが、デービー灯の原理が有効であれば、メッシュの下に落ちたガソリンには再着火しないハズ」と。
ねらいは的中、あとは如何に実用性のある形にするか
我々の狙いは的中しました。ほとんどのガソリンがメッシュ下に落ち、
メッシュ下に落ちたガソリンには再着火せず、炎の勢いを大幅に抑えることができました。
しかし、金属メッシュを床に敷くわけにはいかないので、床材に穴をあけ同様の効果が得られるか実験を行い、効果を確認いたしました。
その後、どのような床材が効率よくガソリンを床下に落とせるか、落としたガソリンを閉じ込めるにはどの様な構造が良いのか、
実際に施工した場合の課題は何かなどを検証するべくトライアンドエラーを繰り返し、
ついにベストな構造にたどり着くことができました。
少しでも安全安心を
ご提案の「火勢抑制フロア」は火災を消火する機能や性能は有しておりません。
この仕組みは、あくまでも床に撒かれてしまったガソリンの燃焼量を少しでも減らし、火災の勢いを弱め、避難や対応をする時間を少しでも稼ぐことを狙っています。
そしてこの仕組みによってガソリン放火による直接の被害の低減と、建物を利用される方々に少しでも安心が提供できることを願っております。
製品に関する注意事項
以下にご理解をいただきご利用ください。
・本商品は消火設備ではありません。着火したガソリンによる火勢を弱めるための商品です。
・火勢を弱める性能は、燃料の種類、撒き方、散布量、着火までの時間により異なります。
・本商品は専用の「仕上材」と「ベース材」の二層構造になっています。
・「仕上材」と「ベース材」は1枚当たりのサイズが違うため、施工面積から計算してそれぞれの必要枚数をご購入ください。
・施工を行う場合は、取扱説明書に従って施工してください。